概要
ハニカムLEDディスプレイは,徳島大学で生まれた「面発光技術」(*1)を用いて作る新しいLEDディスプレイです。
ハニカム(蜂の巣)状の筐体にLEDを配置することで,「均一な面発光」が簡単に得られ,ディスプレイの大型化と消費電力の削減を同時に実現します。
(*1) 「表示装置及び画素ユニット」 特許第6920750号 (2021年7月)
課題
商業施設,ホテル,オフィスビル,ブランドやイベント会場などでは,大型のLEDディスプレイや内照式の照明が設置されています。
大型ディスプレイには多数のLEDが集積されており,画面サイズが大きくなるに伴い「LEDの発熱」や「消費電力の増大」などの課題があり,施工が簡単で低コストの大型LEDディスプレイの開発が望まれています。
解決
徳島大学の研究グループは,蜂の巣や昆虫の複眼などに見られる「ハニカム構造」を応用し,均一な面発光を有するLEDディスプレイを開発しました。開発したLEDディスプレイは,ハニカム状に配列された「六角形の面光源」をディスプレイの画素として用います。
本方式では,ディスプレイ筐体のハニカム構造内でLEDの光を散乱させることによって均一な面発光が得られます。これにより,一般に使用されるLEDパネルに比べ,単位面積辺りのLED使用量を削減でき,結果としてディスプレイ全体の消費電力の低減が図れます。さらにハニカム状の筐体は,LEDが密集しない構造のため,筐体内に特別な放熱器を必要とせず,紙や合成樹脂,木材など,安価な材料を使用でき製造コストの削減に繋がります。
比較
ハニカムLEDディスプレイの1画素分のユニットと一般的な内照式の電飾との輝度画像とカラー画像の比較を示します。いずれも,前面にアクリルパネル,表面にフィルムが貼られ,LED光源は同じ仕様のものです。
LED光源を同じ明るさで照射すると,ハニカムLEDディスプレイではハニカム状に「均一な面発光」が得られています。一方,内照式では,アクリル素材を起因とする「色ムラ」や光源である中心部の「白飛び」が顕著に見られます。つまり,ハニカムLEDディスプレイを用いると,LED光源の存在を隠すことができ,さらに,フルカラー(赤,緑,青)による混色の階調表現による面発光ができます。この特性を活かして,面発光をする「ハニカム画素」をつくり出し,多彩な色表現が可能なハニカムLEDディスプレイを構成できます。
特徴
① 発色
・LEDに見られるグレア(ぎらつき)や白飛びを抑え,優しい自然な発色,精細な階調表現(グラデーション)
② 大型化
・面発光により視認性・視認距離が向上,少ない数のLEDで大画面を構成可能
③ デザイン性
・ハニカム状のユニークな構造,画素積層時の堅牢性
④ 装飾性
・LEDディスプレイに映像や文字を流せ,ディスプレイ形状を自由に変形可能
⑤ 素材
・紙や木材を用いて制作可能,資源サイクルを意識した持続可能な開発を実現
⑥ 消費電力
・ディスプレイの単位面積辺りの消費電力を最小化,設置場所を選ばない
実装例
サイズ:横3.0m x 縦2.0m,ハニカム:紙,筐体:木材(檜),LED光源:フルカラー,消費電力:900W(最大)
動画
徳島駅クレメントプラザ玄関:ハニカムサイズ 10cm
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文字スクロール:ハニカムサイズ 16cm
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建物の窓:ハニカムサイズ 16cm
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